科学

なぜ息を吹きかけると熱い食べ物が冷めやすいの?

まず答え

熱い食べ物に息を吹きかけると、表面近くの暖かい空気が動き、食べ物の熱が空気へ移りやすくなるからです。スープなど水分の多い食べ物では、水分の蒸発も進み、そのときに食べ物から熱が使われるため、さらに冷めやすくなります。

30秒でわかる

冷めるとは、熱が消えることではなく、食べ物から周りへ熱エネルギーが移ることです。息を吹きかけると、表面の暖かく湿った空気を押しのけ、新しい空気を表面に送ります。さらに表面の水分が水蒸気になるときに熱を使うため、食べ物の温度が下がります。

そもそも熱が冷めるとは?

温度の高いものと低いものが触れると、熱エネルギーは高い方から低い方へ移ります。熱いスープの場合は、スープから器や空気へ熱が移り、スープの温度が下がります。

息を吹きかけるとどうなるの?

スープの表面には、温められた空気の層があります。風が弱いと、その空気が表面にとどまり、熱を運び出す速さが小さくなります。

息を吹きかけると、その空気が動き、周りの空気と入れ替わります。空気が動くことで熱が運ばれやすくなる熱の移動を、対流といいます。

水分の蒸発も助ける

食べ物の表面の水分の一部は、液体から水蒸気になります。蒸発にはエネルギーが必要で、そのエネルギーの一部は食べ物から受け取られます。その結果、残った食べ物の温度が下がります。

息を吹きかけると、表面近くの水蒸気を含んだ空気が動くため、新たな水分が蒸発しやすくなります。ただし、空気が湿っていると蒸発は進みにくく、食べ物の種類や表面積によって効果は変わります。

よくある勘違い

「息が冷たいから冷める」とは限りません。吐く息は部屋の空気より暖かいこともあります。それでも熱い食べ物に息を吹きかけると冷めやすいのは、表面の空気を動かし、対流と蒸発を強める働きがあるからです。

実は……

同じ理由で、スープをかき混ぜたり、平たい皿に移したりしても冷めやすくなります。表面を広げると空気に触れる部分が増え、熱や水分が外へ移りやすくなるためです。

参考資料