なぜトンネルの入口には明るい照明があるの?
まず答え
明るい外から暗いトンネルへ入ると、目が暗さに慣れるまでトンネルの中が見えにくくなります。入口を明るく照らすのは、道路や車、障害物を見つけやすくし、明るさの変化をゆるやかにするためです。
30秒でわかる
晴れた日の外は明るく、トンネルの中は自然光が届きにくいため暗く見えます。入口の照明がなければ、運転する人には内部が黒い穴のように見えることがあります。そこで入口付近には強めの照明を置き、奥へ進むにつれて照明を少しずつ弱くします。目がトンネル内の明るさに慣れた後は、内部に必要な明るさを保ちます。
トンネル照明は何のため?
トンネルの中では、昼間でも太陽の光が道路全体に十分届くとは限りません。照明は、路面の車線や壁、前を走る車、落下物などを見分けやすくし、安全に走れるようにするために使われます。
入口には、トンネルの内部を見えやすくするための「入口部照明」が設けられます。トンネルの長さや形、設計速度、外の明るさなどによって、必要な照明の強さは変わります。
なぜ目はすぐ暗さに慣れないの?
目は、周囲の明るさに合わせて見え方を調整しています。明るい場所では明るすぎないように感度を下げ、暗い場所では小さな光を感じやすいように感度を上げます。この変化には時間がかかるため、明るい外から暗いトンネルへ入った直後は、内部のものが見えにくくなります。
このとき、トンネルの中が真っ黒な穴に見えることがあります。これは本物の穴ではなく、外と内部の明るさの差が大きいために起こる「ブラックホール効果」と呼ばれる見え方です。
入口から奥へ、照明はどう変わるの?
入口付近は「境界部」や「しきい部」として明るくし、その先の「移行部」では明るさを段階的に下げます。さらに奥の「基本照明」の場所では、目が慣れた状態で道路を見分けられる明るさを保ちます。
このように、入口からいきなり暗くするのではなく、目が順応する時間をつくります。外が晴れて明るい日ほど入口の照明が必要になり、曇りや夜間は外の明るさに合わせて弱めることがあります。
身近な例
晴れた日に屋外から暗い部屋へ入ったとき、最初は部屋の中が見えにくくても、しばらくすると家具が見えてくることがあります。トンネルの入口の照明は、この「暗い場所へ目を慣らす時間」を、走行中にも安全に確保するためのものです。
よくある勘違い
「トンネルは奥へ行くほど照明が暗いので、照明が壊れているのでは?」とは限りません。入口から内部まで同じ明るさにすると、必要以上の電力を使ったり、外の明るさに対してまぶしくなったりします。目が慣れた後は、内部を安全に見渡せる明るさを保てばよいため、場所によって照明の強さを変えています。
出口にも明るい照明があるの?
出口側に入口と同じ強い照明が必ずあるわけではありません。暗い場所から明るい場所へ出るときは、明るさに目が慣れる変化が比較的速いからです。ただし、出口の外がまぶしく見える条件や、出口付近の道路の形を見えやすくする必要がある場合には、出口部照明が設けられることがあります。
もっと深く知る
トンネル照明の設計では、ランプの数だけでなく、運転する人から路面や壁がどのくらい明るく見えるか、車の速度でどのくらい先まで見える必要があるか、外の明るさがどれくらいか、といった条件を考えます。照明は固定されたままではなく、センサーなどで昼夜や天候に応じて調整されることもあります。